畑で野菜を作る

家庭菜園を長く楽しむためには、毎年同じ場所に同じ野菜を植えるのは避けたいところ。実は野菜には「科(か)」という分類があり、同じ科の野菜を繰り返し育てると「連作障害」が起こりやすくなります。この記事では、連作障害を防ぐための基礎知識と、ローテーション栽培(輪作)のポイントをご紹介します。

連作障害とは、野菜には科がある

野菜は「ナス科」「ウリ科」「アブラナ科」など、植物の特徴に応じて「科」という分類に分かれています。見た目は違っても、花の形や遺伝情報が似ているため、同じ科に分類されるのです。

たとえば、トマト・ナス・ジャガイモはすべて「ナス科」に属します。科が同じ野菜は、似たような病害虫の被害に遭いやすく、同じ場所で続けて育てると、土の中の病原菌や害虫が増えやすくなります。これが「連作障害」です。

主な野菜とその科の例は以下のとおりです。

・ナス科:トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ
・ウリ科:キュウリ、スイカ、カボチャ
・アブラナ科:ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ、小松菜
・マメ科:エダマメ、インゲンマメ、エンドウ
・ユリ科:ネギ、タマネギ
・キク科:レタス
・ヒルガオ科:サツマイモ
・セリ科:ニンジン
・アカザ科:ホウレンソウ
・バラ科:イチゴ
・イネ科:トウモロコシ

連作障害が起こると、生育不良や収穫量の減少、病気の発生などが目立ち、初心者には原因がわかりにくいこともあります。そこでおすすめなのが「輪作」です。

連作障害を防ぐ輪作

輪作とは、同じ場所に毎年違う科の野菜を植えるローテーション栽培のことです。同じ科の野菜を同じ区画で続けて育てないことで、病害虫の蓄積を防ぎ、健康な土づくりにつながります。

畑を4〜5ブロックに分ける

まずは、家庭菜園のスペースを4〜5つのブロックに分けましょう。そして、同じ科の野菜を同じ区画にまとめて植えるのがコツです。翌年以降はそれらを隣のブロックにずらしていけば、同じ場所に戻るのは4〜5年後になります。これが輪作の基本です。

野菜の特徴と科を把握しよう

連作障害を避けるには、野菜がどの科に属するかを知ることが前提です。たとえば、ブロッコリーとダイコンは見た目が全く違いますが、どちらもアブラナ科なので、同じ区画で連続して育てるとリスクがあります。

また、マメ科の野菜は根に共生する菌が窒素を固定する働きがあるため、土壌改良の面でも重宝されます。このように、科ごとの特徴を知ることで、より効率の良い作付け計画が立てられます。

プラン作成のポイント

・まずは、育てたい野菜の科を把握する
・野菜の植えどき(適期)を確認する
・同じ科を連続で同じ区画に植えないように配置する

たとえば10m²(2×5m)の畑でも、4ブロックに分ければ年間で複数の野菜が楽しめます。大切なのは無理のない計画を立てて、科の違いを意識すること。慣れてくれば、病気知らずの家庭菜園が実現できますよ。

家庭菜園をもっと楽しむために、今年は「輪作」にチャレンジしてみませんか?うまくローテーションを組むことで、土も野菜も元気になり、収穫の喜びもより一層大きくなるはずです。

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